2016年9月25日日曜日

写真の未来

 ドイツで2年に1度開催されるカメラ・写真・映像の一大イベントであるフォトキナが今年も9月20日〜25日まで行われた。

 最大の注目点は富士フイルムの中判デジタルカメラ”GFX 50S"だろう。
 
 Xシリーズが始まった当初からハイアマなどの間で蔓延っていた「フルサイズ待望論」
 それを一蹴する中判サイズセンサーの採用。これがフジの回答であり、またこれからの流れとなるのは確実だろう。

 今は高価な中判センサーだが、5年もすれば、フルサイズがそうであったように、一般ユーザーにも手の届くところまで降りてくる。
 それでもAPS-Cサイズのカメラが無くなることはない。どんなにボディが小型化できても、センサーサイズに対応する、センサーが欲するに足りる光を取り入れるためのレンズの設計においては、小型化に限界があるからだ。事実、ソニーのα7シリーズ用レンズは、そのボディには不似合いなほど大きい。

 機動力を要求される分野には従来のXシリーズを、そしてスタジオ撮影や時間を掛けて撮れるコマーシャル撮影などの分野にはGFXシリーズを。富士フイルムの回答は単純明快だ。

 恐らく2年後の次のフォトキナでは、より多くの中判カメラが登場するに違いない。
 旧来の膨大な資産を有する大手メーカーにとって、新たに中判サイズの分野に足を踏み入れることは、その資産の否定にもなりかねない。
 しかしながら、中判がより身近なものへとなり、またトータルな小型化が可能なAPS-Cサイズが画質をどんどん改良していく現状で、フルサイズはその立ち位置が微妙になりつつある。
 ニコンがこのタイミングでD500を開発したのも、何か思うところがあったのではないだろうか。

 やがては「フルサイズ」という規格がかつてあったのだと、昔話のように語られる時が来るのかもしれない。

2016年9月24日土曜日

望郷とは異なる何か

 今年もまた一時帰国のタイミングが近づいている。
 実際には3月の終わりに一度帰国している。しかし、妻を連れてのそれは帰国というよりは旅と言ったほうがしっくりくる。それは、まるで自分も外国観光客のような気分で日本を眺めた二週間だった。

 だが、今回は一人だ。そして向かうのは両親と兄が待つ家。

 今の私には生きる拠点が3箇所ある。カタル、タイ、そして日本。
 仕事という都合上、一年のうちでカタルに最も長く暮らしているが、終の棲家はタイと決めている。とはいえ、第二の故郷などという陳腐なことを言うつもりはない。

 それぞれの場所に理由が、事情があり、また愛着もある。

 かつては日本へ帰る度、変わりゆく姿と変わらない空気に、どこか懐かしさを覚え、気持ちの何処かに「まだやり直せるのではないか」という甘ったれた考えが小さなシミのように残っていた。

 望郷と言ってしまえないような何か。そう、あの頃の暮らしをそのまま続けていったとしたら...その成れの果てを覗き見たいような誘惑か。

 けして今いる自分の生き方を否定しようと思ったわけではない。
 ただ、ほんの少し歪んだ好奇心がじわじわと湧いて出ただけだ。

 祖国の外に暮らして18年目を迎えようとしている今は、もうそんな不可解な気分に襲われることもほぼなくなった。

 あれは夢だったのだ。本当にそう思えてしまうくらいには遠いところまで来てしまった。

2016年9月7日水曜日

意識

 メッカにいる職員から時折Whatsappにメッセージが飛んでくる。
 やれ、あれが要るだの、こうして欲しいだの。
 全部現地でなんとでもできるようなことばかり。どうしてうちの部署は甘ったればかりなんだろうか。厳しく言うとふてくされるから、少しだけオブラートに包みつつ、そっちでできることはそっちでやってくれよという気持ちを含んで投げ返す。

 それなりの手当を貰うという前提でそこに行ったのだから、困難は自分たちで解決してやろうという意識はないのだろうか。ないんだろうな。だから平気で居残り組の私にそんなメッセージやメールを寄越してくるのだろう。

 日本が取り立てて勤勉だとは思わないし、今やアジア各国の方が活気づいているくらいだから、そんなことを言ってみても実際とは程遠いのかもしれないが、それでもやはり「だからアラブはいつまで経っても...」と愚痴りたくもなる。

2016年9月3日土曜日

状況

 カタル内務省は9/1から3ヶ月間限定で、ビザの期限切れなどの「不法滞在者」に対して、即刻退去を条件にすぐに名乗り出れば罪には付さないという免除措置を発表。通常は不法滞在は発覚すれば一時勾留される「罰則対象」であるが、それが免除されるということで、かなりの数の申し込みがあった模様。   現在、湾岸諸国周辺は長引く石油価格下落と各地の内戦・戦争によって、見た目以上に疲弊しているのが実情だ。そんな中で現状を見限って出て行く者や、突然の減給や解雇によってローンを返せなくなり夜逃げのように出て行く者がいる一方で、国にとってメリットのない低レベル労働者の追い出しも同時に進行している。



 あと数年はこういった状況が続き、出稼ぎの顔ぶれも相当入れ替わることと思われる。




Hundreds of residents line up to leave Qatar as amnesty begins