2017年2月22日水曜日

呼びかけ

 東南アジア系とか、日本人もそうだが、政府要人みたいなエライさんに呼びかける時に、やたらと敬称を使いたがるのが不思議。

 こちらでは、式典の挨拶文の中で首長や大臣に言及したりするときは、きちんとH.H.とかH.E.を使うけど、本人に直接呼びかける時は、もっとシンプルだし、親しみを込めてクニヤ(◯◯のお父さん、お母さん)で呼ぶことも少なくない。

 実際、うちの職場でも大臣などに呼びかける時はクニヤが普通。会話の中で言及する場合でも「大臣が...」という表現を使う。

 日本人は会議などで王族などに呼びかける時にも「Your Exelency」とか言うけど、これってちょっと不自然。それならアラビア語で「Sheikh」の方がまだマシ。


 もちろん丁寧に接しようとしているからかもしれないし、逆にタメ口っぽく話しかけて馴れ馴れしくなってもいけないが、やたらと仰々しい言い回しは却って「媚びてる」風にも取られるから、あまりやらない方がいいと思う。

2017年2月19日日曜日

自分とは違う存在

 UAEやカタルなど湾岸諸国の多くでは、人口の半数以上を出稼ぎ外国人が占めている。
 国籍や民族、人種、言葉、そして信仰が異なる様々な背景を持った人たちが、一つの社会の中で隣り合って暮らす様は、ほぼ単一の民族の集団に暮らす人達にとっては不思議な光景と写るだろう。

 一つ誤解してはならないのは、そんな彼らはけして「仲良く」交わって暮らしているわけではないということ。無論お互いに顔を合わせれば挨拶もするし笑顔も見せるし、それなりに会話もある。たとえ腹の中に抱えるものがあったとしても。

 異なる思想や文化を背負う者同士がトラブルを起こすこと無く暮らすために最も必要なことは「お互いに干渉しない」ことだ。つまり相手に対して無関心を通すこと。相手を理解しようとか、深く知ろうとしないこと。

 ここでは、異なる国籍や人種、信仰の間での付き合いはない。それぞれの共同体の中で全てを完結させている。カタル人と外国人の付き合いが稀有なのも当然ながら、インド人、バングラデシュ人、フィリピン人、あるいは欧米人、それぞれに暮らすエリアも働く場所も違う彼らは普段の生活で交わることはまずない。たとえ顔を合わせることがあっても、けして深入りはしない。したところで何も共感など生まれないことを皆それぞれが知っている。

 得てして日本人は他人と他人とが分かり合えるという幻想に溺れがちだ。
 残念ながら本当にニュータイプやらイノベーターやらが現実に現れたとしても、心のうちまでは「理解」することなどできないだろう。人間にできるのは「そういう人たちもいる」という「相互認知」だけだ。自分とは異なる他人という存在を許容できるか出来ないか、全ての争いの原因はそこに尽きるのだから。


2017年2月16日木曜日

税制


 原油価格の乱高下にあえぐ湾岸諸国で、とうとう税制が導入される。
 消費税に関しては、各国とも2018年ころからの導入を検討しているが、それに先立ってカタルでは今年4月から一部の商品に税を掛ける動きがあるらしい。

 「健康に関するもの」と「高級品」に掛かるとされているが、具体的な商品区分については不明瞭なまま。

 噂ではタバコやファストフードなどではないかと言われている。

 いずれにせよ、湾岸での暮らしが今までのようなタックスフリーで快適な時代は終わりを告げる。




Taxes on junk food, luxury items to be rolled out in Qatar soon (by Doha News)

2017年2月8日水曜日

チェロキー


 先月末に車を買い替えた。
 それまで乗っていたパジェロスポーツは丸7年を越え、走行距離は10万キロ足らずだったものの、厳しい気候と交通事情もあってか、相当くたびれていた。
 それでもメンテナンスをしながら、まだまだ乗り続けるつもりでいた。

 ところが...昨年の父の死去に向かい合った時にふと思った。
 人なんてあっけなく消えてしまうのだと。
 何もかも無責任に放り投げて楽しいことだけ考えて生きようとは思わないが、少しだけ気分よく暮らす方法を探しても悪くはないのではないか、そう思うようになった。

 車がポンコツだから、行きたいと思ったところを諦める。それが嫌だった。人生、残された時間を数えたほうが早い年齢にさしかかった。ならば、出来なかったと悔やむより、無茶してたなと笑って振り返る人生がいい。

 ただ、大きな車はもう乗りたくなかった。さすがに体がついていかないし、狭い路地裏で気を使うのにも疲れた。
 ミドルクラス、いわゆるCセグメントのSUVを中心に候補車探しが始まったが、日本車で欲しいと思うものがない。維持費やメンテを考えれば確かに日本車一択かもしれない。しかし妻が言う「日本車なんて、日本でもタイでも買おうと思えば買えるじゃない。ここでしか乗れないような車がいいわ」と。
 それもまた一つの考え方だ。

 結局、自分でも意外な結果で、米国産のジープ・チェロキーを買うことになった。
 実は18年前の留学生時代に、駐在員から格安で譲ってもらった90年式チェロキーに乗っていたことがあった。まさかその最新モデルを手に入れることになろうとは。
 しかし、フィアットの思想を取り込んだ米国SUVの代名詞は、すっかり姿を変えていた。一度見たら忘れられない斬新なデザインと、今どきのSUVらしい上質なインテリア。電子式パーキングブレーキや9段ATなど最近技術も盛りだくさんで、7年という時間の流れをしみじみと感じた。